日本古典文学大系月報2

「大系」月報2は第30巻『方丈記徒然草』附録。

 

ところで月報1の「各巻目次」では全66巻・別巻索引の計67巻が予告されているが、最終的に第二期34巻を加えて全100巻(と索引2巻)となった。

第一期は第1巻『古事記祝詞』で始まり、『日本書紀』は第二期で初めて現れる。「新大系」にはどちらも入っていない(その前に出た「新装版」に入っている)。

文学と歴史なら歴史寄りみたいな扱いだったのだろうか?(すでに「国史大系」が刊行されていた。)

 

月報2には「各巻目次」はない。いつまでもだらだら宣伝しない岩波の潔さだろうか。個人的にはああいう刊行予定を見るのが好きなので、月報に毎回載っていたら、すでに買ったものに✔を、欲しいものに☆を書き込んだりして楽しんだと思う。全巻予約配本のみだったのだろうか?岩波の社史を見ればわかるか。

 

月報2は、田宮虎彦方丈記のことなど」、新村出方丈記徒然草」、篠田英雄「兼好の一隻眼」、西尾実「つれづれ草の友情論」、山岸徳平〈書誌学の話〉二は「書物の表紙と大小」。

「表紙という文字は、標紙とも書く。稀には裱紙などと書いたものもある。いずれにしても、字音は「ひょうし」となるのであった。」

 

全集の月報にはだいたいある〈編集室より〉が、この月報にもある。

「第一回発売「万葉集一」は、非常な好評でありました。内容・形式・装幀・その他あらゆる点で、既刊のこの種の叢書から群を抜いているというおほめの言葉をいただき、編集室でも一層はりきって努力しております。」

毎月1巻刊行されていたわけだが(そもそも附録が「月報」だから当然)、今の自分の生活で、仕事のためでなく教養や楽しみのために、毎月1冊読めただろうか。読み下し・注釈・解説、それにもちろん月報も読まなければならない。